設備設計者のためのスクリューフィーダー総合技術サイト

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スクリューフィーダーの製作工程

スクリューフィーダーは、大きく分けて、スクリューとケースの2つのパーツから構成されます。スクリューとケースのそれぞれの製作を含めた全体の製作工程は、以下の通りとなります。

スクリューフィーダーの製作工程

設計

スクリューフィーダー設計の様子

イシバシが製作するスクリューフィーダーは、主に粉体を搬送するものです。そのため、設計段階においては、搬送する粉体や求められる排出能力などに応じて最適な素材選定と機構設計を行ないます。また、設計段階において、事前に製作段階を加味した加工がしやすい設計を盛り込むことによってスクリューフィーダーの製作コストを抑えることが可能となります。スクリューフィーダーに限らず、製品のコストは設計段階において、70~80%が決定すると言われております。したがって、イシバシでは長年蓄積したスクリューフィーダーの設計・製作ノウハウを活かして、初期段階でVA・VEを図った設計を行なっております。

材料手配・入荷

スクリューフィーダーの原材料

スクリューフィーダーの原材料となる金属素材には、多様な種類のものが流通しておりますが、スクリューフィーダーで 搬送する粉体の種類・使用環境などによって、最適な素材を選定する必要があります。例えば、一般的に多くのスクリューフィーダーでは、防錆・耐食性に優れるステンレスが用いられることが多くあります。ただし、場合よってはステンレスである必要が無い場合あるいは、ステンレスが適さないことがあります。そのため、ケースバイケースでの素材選定が必要となります。

裁断

スクリューフィーダーの裁断

“裁断”は、金属の棒材あるいは鋼板から、必要な寸法を切り取る工程です。スクリューフィーダーの加工は、製缶板金加工の一つして考えることができますが、製缶板金加工においてまずはじめに行われる加工が、棒材あるいは鋼板を必要な寸法に加工する“裁断”の工程となります。裁断には、バンドソーやシャーリング、レーザー加工機など、様々な機械が使用されます。作業としては、決して難易度は高くありませんが、材料を寸法通りに裁断することができなければ、その後の曲げ・溶接・組立といった後工程に支障が生じるため、重要度が高い工程であると言えます。加工の命題としては、設計で定めた寸法をいかに正確にかつ効率的に裁断することが出来るかということで、設計の工夫により裁断工程を効率的にすることができれば、コストダウンを図ることが可能です。

曲げ

スクリューフィーダーの曲げ

“曲げ”は、製缶板金加工において、金属を湾曲させ狙いとする形状に変形させる加工です。一般的に鋼板の曲げ加工にはプレスブレーキという機械が使用されます。プレスブレーキでは、ダイと呼ばれる型に板を乗せ、押し金型によって任意の形状に折り曲げます。スクリューフィーダーにおいては、ケースやホッパーの製作にあたり機械を用いた曲げ加工が行われます。スクリューについては、羽の曲げ加工を行いますが、多くのサイズのスクリュー羽根は人の手によって曲げられます。

溶接

スクリューフィーダーの溶接

“溶接”工程は、製缶板金加工の中で最も技能と経験を要する工程といえます。金属材料によって溶接に際しての変形の特性が異なるためです。具体的に例えばステンレスは溶接熱に伴って発生する歪の影響が大きく出る材料です。歪が発生しないように加工を行うと共に、避けることができない歪の影響を加味した加工が必要となります。スクリューの溶接加工においては、特にステンレスの使用が多い上に、らせん状の複雑な形状のため、特に卓越した技能とノウハウが必要です。

歪取り

スクリューフィーダーの歪取り

“歪取り”の工程においては、溶接により発生した歪の修正を行ないます。溶接工程においては、如何に熟練の技能を以って加工を行ったとしても、歪を100%抑えて仕上げることはできません。歪により、設計の寸法に誤差が生じた箇所に力を加えて修正する加工が必要となります。そのため、溶接の後工程には、必ず歪の修正を行なう歪取りを行なうのです。

研磨・仕上

スクリューフィーダーの研磨・仕上

“研磨・仕上”工程は、その名の通り、スクリューフィーダー各部を求められる外観および面状態にするために研磨・仕上を行なう工程です。研磨・仕上には、多様な加工法がありますが、特にステンレスにおいては、大きく分けて、酸洗い、ビーズブラスト、バフ研磨が用いられます。また、ステンレス以外の鉄やアルミといった金属に対しては、塗装やメッキ、アルマイト処理といった加工が施されることもあります。

組立

スクリューフィーダーの組立

“組立”工程は、仕上げた各部品を組みつけて製品としてのスクリューフィーダーを構成させる工程です。裁断から溶接、歪取り、研磨・仕上とこれまでの工程で重ねてきた仕事の質が問われるシーンでもあります。溶接で大きく歪み、修正が不足した部品の場合は、組付けが困難になるケースがあり、再度修正を行なう必要や最悪の場合一から部品の製作を行なう必要があります。組立て自体も、技術・ノウハウが必要な加工です。

検査・出荷

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“検査・出荷”は、スクリューフィーダーの出来栄えを細かく精査し、製品として機能するか否か、製品足りうる品位を持ち合わせているかを判断する最終工程です。設計要求通りの寸法形状および面状態、スクリューフィーダーとしての稼動状態をチェックして、良品と判断された場合には、晴れて製品として出荷すべく、運搬に耐える梱包を行なった上で出荷されることとなります。

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